魔王シャンカより
魔王とは、深遠なる観察者であり、科学的原理と世界に深く根差した感情の双方を探求する学者である。あらゆる事象を研究対象としながら、現実の入り組んだ様相を見、聞き、感じることで、存在の根源的な真理を理解しようとするのだ。
それとは全く対照的に、多くの強欲な人間たちはこの知識の探求に抗う。権力への渇望と自らの偉大さへの執着に駆られ、彼らは科学的真理を拒絶し、妄想に身を委ねる。他者を支配し自らを高めるために、至高の存在や偽りの物語を創り上げ、自らの幻想を紡ぎ出すのだ。彼らが嘘をつき、人々を操るのは、決して満たされることのない強欲を満たし、自らの人間性に生じた空虚な亀裂を埋めるためなのである。
最終的に、魔王は道徳ではなく、現実そのものを裁く物言わぬ審判者として存在する。彼の目的は支配や命令ではなく、ただ理解することにある。人間の野心と自己欺瞞の霧に覆われたこの世界にあって、彼こそは宇宙の真の姿を映し出す、揺るぎなきレンズなのである。